F-105's Page
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さて、本項では149th TFS F-105Dにもっと近づいて、バージニア州のリッチモンド州空軍基地内で撮影された機体からご紹介したい。渡辺師匠が長年地元マニアとの交流で、集められたスライドコレクションであり、資料の面でも非常に価値のあるサンダーチーフの写真と思う。これは、F-105D時代からA-7DやF-16Cの一部までに至って、部隊の中で絵心の有ったバーナード・バイリー軍曹(T.Sgt.Bernard.W "Bettle" Bailey)の手によって描かれたパーソナルマーキングの数々で、過去様々な航空専門誌も取り上げている。一部に機体の説明の為 ネットからアートをダウンロードして添付していますが、(By U.S.Net) と入れてありますので、ご了承ください。
F-105D (61-0086)  ”YANKEE DOOD IT” 
↑ Pege-7で解説しているので省略するが、有名なスーパーホッグである。
The Personal Marking on F-105D (62-4411) by U.S.Net 
The Personal Marking on F-105D (61-0167)  
一連のパーソナルマーキングを創作して、F-105D等に描いたバーナード・バイリー軍曹(T.Sgt.Bernard.W "Bettle" Bailey)は、1941年11月ウェストバージニア州の生まれで、小さい時から働き者だったらしく評判の良い人物であったらしい、軍に入る前から看板などの制作を手掛けていた為、絵心があり多くのノーズアートなどを作成している。五人の子供の父親で退役後も幸せに暮らしていたが、2022年4月に脳卒中で残念ながら81歳でなくなっている。ご冥福を祈りたい。彼の愛称であった”ビートル”バイリーは、1950年代のモートウォーカーと言う漫画家のコミックの主人公である。
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F-105D (61-0164)  ”GOLDEN GUN” 
F-105D (59-1739)  ”Queen of the Fleet” 
F-105D (60-5385)  ”FIREBALL EXPRESS” 
F-105D (61-0170)  ”THUNDER AX” 
↑ 駐機するF-105D/62-4411。パーソナルマーキングは、”MAGNET ASP”。ASPとは、恐らくギリシア語の”Aspis”アスピス 毒蛇の省略形であろうが、絵柄のガラガラ蛇とMAGNETとの関連性など不明。
The Personal Marking on F-105D (62-4365) by U.S.Net 
The Personal Marking on F-105D (59-1771) by U.S.Net 
↑本項のF-105D/Fは、殆どリッチモンドの州空軍基地で撮影された写真であるが、この機体も州空軍基地のハンガー前で撮られたF-105D/61-0167 Gスーツを身に着け、胸にTACのパッチを付けたアヒルと”Millard the Malard”の文字が入った盾? マガモのミラードは、同隊の本拠地リッチモンドのラジオ放送局のマスコットだった。同放送局のアナウンサーがドナルドダックのような声で、アナウンスをした事が切っ掛けで、マガモのミラード君は人気者となったとある。
149th TFS Virginia ANG
F-105D (1971~1982)
↑ 羽を休めるF-105D/62-4365は、左側面には→のアートが描かれていた。懐かしいピーター・ポール&マリーのヒット曲「Puff ,The Magic Dragon」をもじった竜の絵柄がそれだ。原曲の意味は、「パフ~、魔法の龍は海辺に住んでいた、そして秋の霞の中、ホナリー島で遊んでいた」と言う歌で、パフは、竜の名前らしい。本来”Puff”は、口から何かをポッと出す仕草を意味し、この絵柄のようにJP-4(ジェット燃料)の酒に、ふっと息を吐いて頂きますと言った感じか・・・このフレーズは、ミシガン州空軍のF-4Cでもノーズアート(パフと少年)に使われている。
The Personal Marking on F-105D (61-0071) 
The Personal Marking on F-105D (61-0086) 
The Personal Marking on F-105D (59-1743) 
The Personal Marking on F-105D (62-0353) 
↑ このF-105D/58-0743は、製造年月日が古い機体であるが、恐らくアートにも書かれたベトナム戦での北爆に100回以上使われた機体なのだろう。ハノイ急行(Hanoi Express)は、太平洋戦争中の東京急行と同じ ハノイに爆撃に向かう部隊を指すが、因みにラインバッカーⅡ作戦での北爆行(1972年12月)では、12日間にハノイだけで10000トンの爆弾を落すと言う強力な攻撃を掛けている。真ん中の”River Rats"は、ベトナム戦争中にアメリカ人戦闘員が示したチームワーク、そして大きな犠牲を払ったパイロット達の精神を継承する為に設立された協会で、今でも空中戦の議論や活発なフォーラムを展開しているらしい。
↑ F-105D/58-0771の左翼下に書かれたパーソナルマーキングは、”Dynamic Duo Ⅱ” 仲の良い芸人コンビなどに使われる呼び名であるが、ツインのF型ではなく単座のD型なので、意味は分からない。空飛ぶビーバー君の横に2名の名前らしき文字があり 部隊内の誰かを指してるのか・・・
↑ F-105D/62-0353 ネズミ君がドイツ帝国のレッドバロン伯爵を思い浮かべながら、「ガッツが無ければ 栄誉も無いよ」と・・・・意味は分かりやすいが、何故ネズミなのだろうか?。パイロットは上のリバーラッツの協会会員だったのかもしれない。
機体の左側面ジェットインテーク下にアートを入れるのは、ベトナム戦からの伝統であったようだが、このベテラン戦闘機達も、1982年当時 各機の総飛行時間は5000時間を超えていたそうで、特に電子機器のメンテナンス方面で、種々の問題を抱えていたのである。このF-105D/61-0066に書かれた”Keep'em Flyin”は、1941年に制作されたアメリカの映画で、大戦前に飛行兵を募集する為に宣伝用に作られたコメディ映画「Keep'EM Flying」をもじったものではないだろうか。このタイトルは、陸軍から独立した当時の空軍のモットーにもなっていたようだ。但し KとNを強調しているところ、また8と6のボールが何を意味しているのか・・・・
↑ F-105D/61-0071に書かれた飛行服を着たスヌーピーの絵柄と”Regal Beagle”の文字。王者の気風を持つビーグル犬と直訳できるが、スヌーピーのモデルがビーグル犬である事はご存知と思うが、[僕は普通の犬とは違うんだ!] と言う意味が込められているようだ。